モロミの経過はコウジや酒母の品質によって決ってしまうものだと考えられがちである。それでは同じようなコウジ, 酒母を使って仕込んだ1本1本のモロミの酸度や日本酒度に, 何故差が出るのであろうか。庫内の殺菌, モロミのカイ入れ, 留後の品温・成分管理が標準化されていないからではなかろうか。実際の酒造場で調査されてこの難問題に取り組まれた労作である。