低精白米を化学処理して精米効率をあげず, 清酒醸造の経済化を目的として, 界面活性剤を用いて蛋白質や脂肪の除去を試みた。 Alkyl benzene sulfonate系の洗剤を用いた。粗蛋白, 粗脂肪ともに10-20%の減少をみ, もろみ経過中での窒素化合物の溶出も少なく, 醗酵も後半緩慢になるが, 対照とほぼ同様の経過を示した。 上記の溶出効果がNaOHとの共同である点, 洗源による欠減, 洗剤の残存に注意しなくてはならない。 なおABS系の洗剤は, 食品添加物として認められていないから, 本報は, 実験室的な試験結果として報告するもので, 実用出来ない。