酒母を省略して圧さく酵母により直接果醪を発酵させる方法を検討した。セミー灘ン, カベルネソービニヨンを用い, これにブドウ酒酵母OCNo.2の圧さくしたものを果醪に対し0.5, 1.0, 1.5%の割で添加して経過を追跡した所, 酵母添加の多い程, 発酵は速く終了した。酵母数は発酵終期にはいつれの区も同程度になった。さらに甲州種およびマスカットベリーAについて0.5%添加の試醸を行ない同様の発酵経過が得られた。酒質成分は酒母仕込に比較して全窒素が増加する以外は大差なく, 痢酒結果も優劣がないところから圧さく酵母によるブドウ酒醸造が可能なことが示された。