市販糖化酵素剤 (糸状菌酵素製剤) を使用して, 中温仕込酒母を試醸し, 酒母濾液中遊離アミノ酸の消長を, 全酵素区と対称区について比較検討した。 1) 総灘アミノ酸の絶対量比は, 中温仕込の糖化直後・全酵素区と対称区との比が1/7~1/15・膨れ湧付時および高泡, 翫分け時で約1/10~1/20, 使用時では1/4~1/6であった。 2) 各酒母の灘アミノ酸繊比は, B, C酒母 (麹を使肌た酒母) においては, 遊離アミノ酸全体の消長が均一した比を示す結果であつたが, 全酵素区においては, そのパターンは堪だ複雑で, 組成比のバランスが不安定である結果が認められた。 3) 遊離アミノ酸の組成において, 全酵素区は対称区と相異して, アルギニン, アラニン, 冨イシン, グルタミソ酸セリン, リジン, プロリンの含量が多い結果を得た。