玄米, 白米および浸漬容器 (木桶) の赤めし細菌を調べ, 浸漬米への赤めし細菌の感染経路を推定するとともに赤めし発生防止策の検討を行ない次の結果を得た。 1.玄米, 白米および木桶に赤めし細菌が存在することを認めた。分離した赤めし細菌は単独で赤めしを再現するものもあるが, 2種類の細菌によりはじめて赤めしを再現するものもあった。また, いずれもグラム陰性桿菌で, べん毛を有し, 運動性が活発である。 2.浸漬米への主とした感染経路は, 玄米を起源として, 白米から直接浸漬米へ移る経路と, 白米から木桶での増殖をへて浸漬米へ移る経路との2つであると考えられた。 3.酒造場での発生防止策は, 高温または長時間水切をさけること, 1~3%過酸化水素水で木桶を殺菌すること, 浸漬水に0。1~0.3%過酸化水素水を使用することおよび赤めしとなるような浸漬米ができてしまった時は, 蒸す前に2%過酸化水素水浸漬および掛流しを行なうことである。