上槽以後の清酒の火落菌による汚染を調査した。 上槽後火入前の生酒からは主としてホモ醗酵型の真性火落菌が検出された。 初呑切時 (6月~7月) の貯蔵酒1,286点からの火落菌検出率は0.5%と低かった。しかしこれは火入後の経過日数も短かく, またいわゆる “ホシ” の状態になっていることも考えられるから, 貯蔵酒の火落防止上呑切を1回だけですますことは危険である。 原酒を割水することにより火落菌がコンタミしてくる。その汚染経路はホース等の酒がうすめられた状態で残っている機器類からであると思われる。しかし火入れによりその混入した火落菌は死滅し, 火入れ後のものからは検出されなかった。 市販酒145点からは火落菌の検出されたものはなかった。