清酒醸造工程中におけるメバロン酸の蓄積を Lactobacillus heterohiochii H-1 を用いる微生物定量法により調べた。 製麹時のメバロン酸は糖化力の増加とともに増加し, 麹のメバロン酸含量は40~90γ/gであった。酒母ろ液は6~13γ/ml, もろみろ液は5~9γ/mlのメバロン酸を含み, その濃度は麹のメバロン酸含量に支配される。清酒酵母はもろみろ液中に1~3γ/mlのメバロン酸を蓄積するので, メバロン酸フリーの酵素剤を用いて醸造した清酒にもメパロン酸は存在する。市販酒は2~7γ/mlのメバロン酸を含み, その濃度は火落菌の生育に十分であると考えられる。