1) 塩素イオン活量測定電極による電位差分析, 電位差滴定を行ない, 醸造用水中の塩素イオン濃度を測定した。 2) 電極の応答速度は塩素イオン標準溶液の場合10-4~10-5Mで5分以内, 10-2~10-3Mで1分以内で安定に達し, 醸造用水については3~5分間で安定に達した。 3) 電位差滴定により得られた塩素イオン濃度は硝酸銀滴定法と比較すると1%水準で有意差を認め, チオシアン酸第二水銀比色法との間では5%水準で有意差を認めなかった。 4) 電位差分析法と比色法または電位差滴定法で得られた塩素イオン濃度測定値の間に差が認められた。この結果に基づいて醸造用水中にイオン状態と結合状態の塩素イオンが存在するものと考察した。