清酒の貯蔵によるAmberlite IRC-50に吸着される区分のUV吸収の変化がどのような成分の変化によるものかを明らかにした。すなわちIRC-50に吸着される成分の一部 (これをC物質と仮称する) が貯蔵や加熱によりIRC-50非吸着性の物質に変化することが, UV吸収の変化をもたらす理由であることを知った。貯蔵や加熱で新たに生じた物質は, アデニソ, ペントース, 硫黄およびリン酸を含み, これをPurine Xと仮称することにした。C物質やPurine Xはリン酸を含むこと以外はその性質がS-アデノシルメチオニンやその加熱分解物である5'-メチルチオアデノシンに類似している。