酵母の増殖醸酵に大きく影響するKの米からの溶出について検討した。浸漬温度が高くなるにつれて溶出量が増加する。溶出量は浸浸時間が長くなると漸増し, 米粒表面程K含量が大きいため高精米歩合の米ほど溶出量が大きいが, 73-60%では1時間の溶出量はほぼ同じとなった。洗米水が塩類を含むと蒸留水に比らべ, K溶出量は増加した。種々の品種の玄米と白米の含量を比較し, 晶種により含量, 米粒内分布の傾きが異なり, 同一晶種では久保らのいうように貯蔵年数が増す程米救内のK分布の傾きがゆるやかになり, 内部のKが増加し, K溶出量も同様の結果となったが, 品種によりK含量が大きく異なるので品種などの情報が得られれば新古米判定の有力な一指標となろう。