PACによる洗米廃水の凝集効果は廃水中の可溶性蛋白質により左右されることを明らかにし, その機作について以下のように推察した。 廃水中のSSはpH5~9で負の界面動電位を示すが, PACはこの電位を低下させることにより, SS同士を接近させて, 凝集, 沈降させると考えられる。一方, 米蛋白質が共存すると, 親和性のより大きい米蛋白質にPACが結合するためにSS粒子に対する有効PAC量が減少し, その除去率は低下する。しかし, この際, 洗米水中にCa2+が充分量存在すると, Ca2+は蛋白質と結合し, その溶解性を低めることおよびPAC給合部位をCa2+が埋めることにより, 結果として有効PAC量は増加する。