清酒酵母およびアルコール添加した蒸米に麹菌酵素を作用させ, その生成糖類の変化について検討した結果次のような知見を得た。 1.反応後8時間目まで明らかに存在していたマルトースは12時間目前後に消失された。 2.生成された糖類は酵母の増殖作用によって24時間目以降著しい減少を示した。 3.反応開始後24時間目以降において特にイソマルトース, ニゲロースおよびコージビォース区分の生成糖含量に, 使用酵母の種類による影響と考えられる差異がみられた。 4.アルコール10%以上の存在下において, 麹菌酵素のイソマルトース, ニゲロース, コージビォースおよびイソマルトトリオース分解作用が阻害されたとみられる知見を得た。