1) メバロン酸非生産株の造成を目的に, 親株の黄麹菌に紫外線を照射して非生産変異株4株を得た。 2) 4株中1株は変異復帰したが, 他の3株は6代の継代観察でもメバロン酸の生成はみられない。これらの株は親株に比べ糖化力がやや低下し, 蒸米上での繁殖力が弱い。 3) 非生産株で麹をつくり, そのメパロン酸量を測定したが生成しなかった。この麹を使用して清酒の小仕込み試験を行なったところ, 得られた清酒中のメバロン酸量は親株に比べて著るしく少なく, これらの株の応用はヘテロ型真性火落菌からの火持ち性を長びかせることが可能であると推察した。