1) 米粒の内部構造を観察すると, でんぷん複粒膜間ならびに細胞膜にたんぱく粒を含むたんぱく性の被膜物質が存在し, この被膜物質は胚乳細胞の外層部に多く内層部に少ない。 2) 外層部のこの被膜物質の層の厚さならびにたんぱく粒密度を3層に区分して検鏡評点としてあらわした。 3) 検鏡評点は, 米の種類によって差があり, 白米のたんぱく含量と相関関係にあり, なかでもGlutelia N, Insoluble Nと相関する。また白米の吸水率比と正の相関関係, 蒸米の被消化性と負の相関関係にあり, 一般米では出穂期と負の相関関係にある。この被膜物質は白米の吸水速度と蒸米の被消化性を左右する一因子と考える。