清酒造製廃水は著量のでんぷんと清酒等を含み, 質, 量共に変動が大きい。又, ほとんどが小規模生産で廃水量も小さい等の条件を考慮して酵母を用いる廃水処理を計画し, 好適な菌株と処理可能な廃水の内容の範囲を検討した。 1.主として樹木より採取した約840株の酵母を供試し, でんぷん, アルコ一ル資化能の強い約10株を選んだ。これらの酵母は Pichia, Hansenula, Saccharomyces, Candida 等多くの属に属するが, いずれも強い雑食性を示す。 2.清酒希釈液や混合比を変えた前者と洗米水の混合液でCOD400~10,000PPmの範囲の廃水をこれらの酵母により処理した時のCOD除去率は75~95%で, 菌株により特定のCOD領域や混合比でそれぞれ高い除去率を示した。 3.好適な数菌株について連続処理実験を行った。