1) 清酒もろみ中におけるグルコース生成速度とアルコール生成速度 (発酵速度) とを比較検討するため, α-アミラーゼを200units/9-白米と一定にし, グルコアミラー・ゼレベルを25, 40, 55, 70unitsと変え, また発酵温度を10, 15, 20℃ と変えたモデル仕込みを行なった。 2) 発酵速度の方がグルコース生成速度より大きく, 発酵はやがてグルコース生成不足によって律速されるようになることが知られた。但しグルコアミラーゼが70units/9-白米と高く, 発酵温度が20℃ と高い場合は, 発酵が抑制されるようであった。 3) 発酵速度とグルコース生成速度に対する見掛けの活性化エネルギーは, 前者が約13Kcal/mole, 後者が約18Kcal/moleと計算された。 4) グルコース生成速度係数 ( K 1) は10, 15, 20℃ の発酵温度に対し, それぞれ0.56, 0.90および1.56mgグルコース/u/日と計算された。