1.49年, 新潟県産越路早生の75%白米水分 ( x ) と吸水率 ( y ) の間に回帰式 y =-2.84 x +66が成立し, 白米の水分1%の増減が吸水率では2.84の変動となる。 2.白米水分を増減させるとそれに応じて吸水率も増減し, 両者間には常に上記回帰式が成立する。白米水分の増減を繰返しおこなっても同じである。 3.同一ロットの白米であっても, その水分がかわれば, 吸水率, 蒸米吸水率, 被糖化性が異る。従って原料処理工程で白米水分を一定にする必要がある。 4.低精米歩合の白米の吸水率が高いのは長時間の精米工程で水分が蒸散して水分含量が少なくなる為である。しかし, 精米歩合も僅かながら吸水率の高低に影響する。 5.産地, 品種, 精米所, 精米歩合が同一の白米でも使用時の水分が異なることがあるので, 酒造工程の管理は白米水分の管理から始めねばならない。 5.上記の結果から酒造原料米の酒造適性の検討に際しては水分をに一定することが絶対必要である。