液体合成培地に逐次補糖しながら, 15。Cで24日間発酵させ, アルコール18%を生成する過程の酵母 (協会7号) 菌体構成成分の変化を調べた。 酸可溶性グリコーゲン (乾物菌体当り8~9%), アルカリ可溶性グリコーゲン (2.5~3%), DNA (0.4%), RNA (8~10%), リン脂質 (約2%) などには, 発酵期間中ほとんど変動がみられなかった。全脂質とステアリン酸は初期に増加し, 以後一定レベルを保った。グルカンとマンナンは中期以降徐々に増加した。トレハロースは初期に増加し, 以後減少した。全糖は初期に増加し, いったん減少した後徐々に増加した。冷過塩素酸可溶性区分のUV吸収物質, 蛋白質は減少する傾向にあり, パルミトオレイン酸とオレイン酸は初期に減少し, その後一定のレベルを保った。脂肪酸エチルエステルはエタノールの生成につれて増加することが推定された。