清酒中の鉄 (Fe) を原子吸光法で測定する場合の前処理法, 分析精度などを検討した。 湿式灰化法を基本として, 標準添加法, 脱アルコール法, 直接法, α, α'-dipyridy1による比色法を比較した。分析感度, グラフの読みを正確にすれば, いつれの方法も分析法として採用できるが, 前処理を行ない干渉物質を除去すると共に濃縮を行ない分析感度をあげた方が, より正確となる。 灰化法として低温灰化を行ない溶媒抽出を行なうと, 湿式灰化でみられるような酸からの汚染を考慮する必要がなく干渉物質が除去され, しかも分析感度が向上した。DDTC-MIBK法による分析精度は, 変動率が約5%であった。