1) 清酒のもろみ仕込みを1, 2, 3段とした場合に発酵パターンがどう変ってくるかを, 2kg白米ベースの酵素剤仕込みで検討した。 1段仕込みは添即わち留に当るから, その留からの日数を他の2段, 3段仕込みの留からの日数と合わせて比較してみると, 1段仕込みのものはアルコールの出, ボーメの切れが2日程遅れるようであった。併し初添からの経過日数で比較すれば3者殆んど同じであった。 蒸米の溶解, グルコースの生成パターソについても基本的には3者に差違は見出し得なかった。 2) 汲水歩合を110, 140, 170%と変えた仕込み (2009白米ベース) においては, グルコース生成, アルコール発酵とも汲水をのぽせば促進されるが, 汲水歩合が140%と170%とでは余り顕著な差はなかった。汲水をつめると発酵がおくれるのは濃糖圧迫によるのではないことが推察された。