清酒もろみの合理的な仕込み方法として留温度を高くし (20℃), 数日後に15℃ に下げるという, 前高後低型の品温経過の小仕込みもろみを立て, 従来の品温経過のものと比較を行なった。 1) 蒸米の溶解は前高後低型の方が良好であった。 2) 発酵速度はグルコアミラーゼレベルの高い方が大きかった。 3) 蒸米の溶解はグルコアミラーゼレベルが高く, 発酵速度の大きいもろみの方が良好であった。従って従来の品温経過でも, グルコアミラーゼレベルを高くすることによりかなり溶解性が向上した。 4) グルコアミラーゼレベルが同じであるとか他の条件が変わらない場合は, 従来型品温経過のものに比し前高後低型品温経過の方が, 並行複発酵という言葉の持つ, 蒸米溶解と発酵が平行して進む型に近いもろみの発酵を行わせることが出来た。