もろみ中の蒸米の溶解, アルコール発酵等に及ぼす品温およびグルコアミラーゼレベルの影響を種々検討した。 1) 蒸米の溶解には品温が大きく影響し, 仕込み初期6-8日位品温を20℃に保ったものは溶解が良好であった。2) 発酵速度は高温保持時間の長い方が大きかったが, 最終的にはすべて同じアルコールレベルに達した。 3) グルコァミラーゼレベルが30units/g-白米と低い場合は発酵速度が小さく, 蒸米の溶解も悪かったが, 40-50units/g-白米以上のレベルでは殆んど差が見出せなかった。 4) 貯蔵特性値であるk1はもろみの高温保持日数が長く, グルコアミラーゼレベルの高いもの程大きい傾向にあった。k2については逆にグルコァミラーゼレベルの高いもの程小さく, 高温保持日数には無関のようであった。 5) 原エキスを求める代りに全糖を測定し, これをもとにして全溶解量を計算する方法につき検討を加え, 満足すべき結果を得た。