清酒もろみ中の蒸米の溶解, グルコースの生成, および発酵に及ぼすα-アミラーゼ, グルコアミラーゼ, および酸性プロテアーゼの影響を, 酸性プロテアーゼおよびグルコアミラーゼのかなり高いレベルで検討した。 1) 酸性プロテアーゼは蒸米の溶解, グルコースの生成, および発酵に対し, 2,000units/g-白米の高いレベルまでも影響を及ぼしたが, その度合は1,000units/g-白米以下の場合に比べれば余り大きくなかった。 2) グルコアミラーゼはグルコースの生成に極めて大きく影響し, ほぼその力価に応じてグルコース生成が高まった。また発酵にも影響を与え, 酸性プ獄テアーゼが十分存在する場合は, かなり高いレベルまでグルコアミラーゼによる発酵律速ははずれないようであった。ただし律速の度合はあまり大きくなかった。 3) 泡なし701号酵母は, 15℃ では1日3%程度のアルコールを生成する能力があるものと推定された。 4) α-アミラーゼレベルの影響は殆んど無視できた。5) 酵母の活性に対する所謂濃糖圧迫現象は見られなかった。