マスカット・ベーリーA種を原料として, 発酵時のSO2添加量を無添加 (MS-0), 75ppm (MS-1), 150ppm (MS-2) の3段階に試験区を設定し, 発酵中に生成されるアセトアルデヒド (AcH), ピルピン酸 (PA), α-ケトグルタール酸 (α-KG) 量の消長と白・赤ブドウ酒別発酵中のAcH, PAおよびa-KGの経時変化について検討した。 1. AcHは白ブドウ酒醸造の場合と同じで発酵中に最大値があり, その値はMS-2 (180ppm)>MS-1 (140ppm)>MS-0 (100ppm) の順で認められ, 発酵終了時に残存するAcH量も同じ順であった。 2. PAはAcHと同じパターンをとり, 発酵中に示す最大値はMS-2 (230ppm)>MS-0 (180PPm) ÷MS-1 (177ppm) で発酵終了時には各区ともほぼ類似した値を示し, 白ブドウ酒の場合と相異した。 3. α-KGの発酵中の最大値はMS-0 (430ppm)>MS-1 (370ppm)>MS-2 (340ppm) の順で, それ以降SO2添加の少ない区ほどα-KGの減少速度は早く, 発酵終了時の残存量はMS-0 (170ppm)