平膜多段方式による限外ろ過装置を使用し, 清酒中の蛋白混濁物質の除去を行い次の結果を得た。 1) ポリスルホン系のGR6P (分画分子量22,000) の膜は, セルローズアセテート系の膜に比べ高いFlux (l/m2hr) が得られ, 生酒ならびに火入酒ともに白ボケ防止効果があった。しかし, GR5P膜 (分画分子量65,000) は生酒には効果がなかった。 2) 60℃ のろ過では, 清酒の着色度が増し, アルコールの欠減が大であった。 3) Fluxはろ過温度, ろ過圧力に正比例して増加した。 4) ろ過圧力8kg/cm2G, ろ過温度20℃ におけるGR6P膜のFluxは約85l/m2hrで, チューブラ-方式のろ過速度とほとんど同しであった。 5) 未処理酒とろ過酒の官能テストをpairtestで行った結果, 生酒では差はなかったが, 火入酒では未処理酒より酒質が良いと判定された。