当局管内でよく使用されている15社29点の原料アルコールについて比較検討した。 1.官能審査でゴム様臭の強いものがあった。また, 刺激性の味のあるものや, かすかな甘味があり丸く感じられるもの等, 各社或は獄ットにより微妙な差が感ぜられた。 2.メチルアルコールは, いずれも不検出であったが, かすかな痕跡を示したものが2点あり, これらはガスクロマトグラムでも認められた。 3.フーゼル油が少し検出されたものや有機不純物の多いものがあり, これらは官能審査でも良い評価は得られなかった。 4.200~300nmにおける吸光度を測定した結果, 7つのタイプに分れ, 官能審査で異臭のあったもの, フーゼル油の検出されたものおよび有機不純物の多かったもの等は大きな吸光度を示した。 5.ガスクロマトグラフィーによる結果, 5つのタイプに分れ, 主にn-プロピルアルコールの含量に差がみられた。 6.原料アルコールの購入に際しては, アルコール度数を20~25度に希釈して, 官能審査をし異常がないことを確めるのが無難である。