本格焼酎に発現する油臭の代表的成分であるアゼライン酸セミアルデヒド・モノエチルエステル (SAEA) およびその前駆物質であるリノール酸エチル (EL) について, エタノール水溶液中での溶解度を測定した結果, 1.SAEAの溶解度はELに比べて数千倍大きく, 温度による溶解度の変化は少なかった。 2, ELの溶解度はアルコール分が30%を超えると急げきに増大する。温度の上昇も溶解度に著しく影響し, 溶解度は対数的に大きくなる。 3.油性物質はエタノール水溶液中で過剰な一部がコロイド状で存在するために溶解度の正確な測定がむずかしい。このような場合の溶解度測定方法を設定した。 4.油性物質の溶解特性にもとついて, 油臭防止の見地から本格焼酎の貯蔵管理について考察した。