本格焼酎に存在する油性成分である高級脂肪酸エチルエステルおよび油臭物質 (SAEA) について蒸留および吸着法による除去の可否を試験した。 1.油性成分の蒸留特性を調べ, これら成分の街内残留率 (除去率) とアルコール分回収率 (蒸留歩合) との関係を求めた。 2.蒸留法により高級脂肪酸エチルはその85%以上を除去することが可能であるが, 油臭物質は約50%の除去しかできなかった。 3.種々の吸着剤について, 油性成分の吸着能力を調べた結果, 粉末活性炭素と合成吸着剤の2種がすぐれていた。これら2種の吸着剤について, 添加量と除去率の関係を調べた。 4蒸留法, 吸着法およびろ過法の利点, 欠点を指摘し, これら三法のいずれでも除去し難い油臭物質の除去法について若干の考察を加えた。