本格焼酎の貯蔵中における油臭の発現を防止するための貯蔵管理法について検討した。 1.貯蔵条件としてアルコール度数および液面比率について調べた結果, 貯蔵アルコール度数が高いほど, また液面比率が小さいほど油臭の発現が抑制された。 2.市販焼酎の油臭の強さとアゼライン酸セミアルデヒドエチルエステル (SAEA) 含量およびTBA価との関係を調べた結果, 両分析値と官能による油臭の強さとは密接な関係があり, 油臭の強さを定量的に表現する指標値として使用しうることを確認した。 3.油臭の強さと油臭物質の含量の関係は焼酎の種類により異なり, 米製に比べて甘藷製焼酎は油臭が目立ちやすいことがわかった。 4.貯蔵過程における油臭発現の原因およびその防止法をまとめ, それらの長短を比較検討した。