蒸米及び清酒もろみより経時的に採取した米粒の横断面を走査型電子顕微鏡で観察し, 次のことを知った。 1.前報に述べたように蒸きょう直後の蒸米にも胚乳細胞構造がみられ, また澱粉単粒も蒸きょうによって破壊されることなく残る。 2.蒸米はもろみ中で米粒としての構造を保ったまま次第に溶解され, 溶解が進んでも澱粉単粒は認められる。 3.麹米で菌糸の侵入しなかった部分の溶解は蒸米より悪いが, 菌糸が侵入した部分では胚乳細胞壁も澱粉単粒も溶解して認められない。