米価の高騰などの経済情勢の変化から, 酒造原料米として古米が再び注目されて来た。低温貯蔵庫の普及によって, 新米と大差ない古米も得られるようになったが, 古米化の程度と吸水性や “古米臭” の発現などの関係から, 購入時に古米化の程度を知ることは重要なことである。そこで貯蔵によって起る米の成分変化の諸研究をもとに現場でも可能な判定法を検討した。 1. P, K及びペソタナール, ヘキサナール等の成分は貯蔵中に増加するが, 米の品種, 産地により含有量が異ることや測定法が繁雑で適さない。 2.新米, 古米の水抽出液のpHあるいは酸度の差は僅少である。 3.新米, 古米のアルカリ滴定曲線の差から, BTBとPRの混合指示薬を含む0.001Nと0.005 N NaOH液を19の白米に2m l 加え一定時間後の, 米粒の色調或は液相の色調によって, 古米化の程度あるいは新古米の混合を判定する方法を案出した。