1. 合成培地の無機成分を酒母の戸液濃度に調整し, 各醸造酵母群の増殖量を検討したところ, 清酒酵母群の増殖量が最も多かった。 2. 合成培地のカリ濃度をKC1にて500ppmに調整し, クエン酸でpHを3.1にすると焼酎泡盛酵母群と清酒酵母群の増殖量に差異がなくなった。 3. 合成培地のカリ濃度をKC1にて500ppmに調整し, リンゴ酸にてpHを3.1にするとワイン酵母群の増殖量が最も多くなった。 4. 速醸酒母中において清酒酵母とワイン酵母との競合を行なったところ, 清酒酵母が圧倒的優位に増殖する。しかし汲水歩合を600%と希薄にし, KCI1.0g/汲水lを加工しリンゴ酸にてpHを調整するとワイン酵母の増殖が顕著となることがわかった。 5. 合成培地のカリ濃度をKC1にて500ppmに調整し, リンゴ酸にてpHを3.1としたものを室温にて一定時間開放放置し, 充分に湧付いたところでここに増殖した Saccaharomyces 属の分離同定を行なったところ, 15株中, 14株がワイン酵母であり1株は焼酎・泡盛酵母であっ