鉄により着色した清酒からキレート樹脂UR-60, A-1およびYGFと活性炭GLY-4およびG-superを使用して脱鉄力の試験を行い, 同時に樹脂処理が品質におよぼす影響を検討した。 1) UR-60は清酒中の鉄特にFCYより脱鉄を行い, 鉄含量, 着色度を低下させた。他の樹脂ではこの効果が低かった。 2) 樹脂の種類により, 清酒中の金属含量, 貯蔵着色や熟成に関与する成分などには変化が認められたが, 有機酸やアミノ酸量には大きな変化がなかった。 3) 樹脂処理が日光, 貯蔵着色, 貯蔵中のDMS生成, 火落菌の生育に対する影響を検討したところ, 樹脂の種類によって変化した。 4) 処理酒の官能検査を行った結果, UR-60や活性炭処理酒には, 酒質の改良が認められた。