アルコール耐性の著しく強い酵母 (6-4-C) から分離した泡なし酵母変異株AA-1, 2, 6 (type1) とAA-3, 5 (type2) を用いて清酒を試醗し, 分離株の特徴を調べた。 1. 速醸酒母の枯し中における酵母の生存率は協会7号 (K-7) に比較してアルコール耐性酵母が高く, 中でも6-4-Cならびにtype (AA-6) の酵母が高かった。 2. type1の酵母は6-4-Cよりも発酵速度が速いがK-7よりやや遅く, 酸の生成 (特にリンゴ酸) が大であった。type2の酵母はK-7と同程度であった。なお, いずれの変異株もK-7に比較して清酒醪末期或いはアルコール添加後で死滅しにくく, 製成酒の色は薄く, アミノ酸度が小さわった。