昭和50年産米のうち, 水稲うるちの作付面積第1位である日本晴16点と酒造用玄米 (好適米) 第1位である五百万石8点を分析し, 吸水率を中心に産地および品種との関係を検討した。 広域で栽培されている日本晴は全体的に, 玄米水分のバラツキが大きく, 好適米である五百万石はバラツキが小さかった。 テストミルによる精米直後の75%精米歩合の白米の吸水率は日本晴23.0~29.6%, 五百万石23.7~27.0%と大きな差異が認められた。しかし白米水分を13.5%に調整して測定した結果, 産地間はもちろん2品種間にも殆んど差異は認められなかった。水分と吸水率の関係では.回帰係数が日本晴で-3.17, 五百万石で-2.76を示す直線関係が成立した。 消化性については, 日本晴は全ての試料について白米水分が多く, 蒸米吸水率が低くなると, 消化性が悪くなる性質を示したのに対し, 五百万石は蒸米吸水率が低くても日本晴程消化性は低下せず, 山田錦と日本晴の中間的な性質を示した。