純米酒25点, 本醸造酒21点につき, 前報と同様の官能評価並びに成分分析を行い, それぞれについてコンピューターを用いた主成分分析 (バリマックス回転) の結果より9~10個の主成分を抽出した。第1主成分 (品質) における試料の因子得点と味の濃淡の官能得点とを軸として試料の分布をみると, 品質と濃淡とはほぼ相関しており, 品質の良いグループでは本醸造酒より純米酒の方が濃い方に偏っていた (第3, 4図)。さらに品質ときれいさの官能評点とでは, きれい程品質は良いという関係が認められ, 回帰直線の傾斜は本醸造酒の方が大きかった (第1図)。 アミノ酸主成分と酸味主成分とについて試料因子得点の分布をみると, 良酒と評価されたもののアミノ酸度平均と酸度平均との比は本醸造酒, 純米酒ともに同様の値を示した。