総米6009および7,000kg規模で, α 化米を仲留または留掛米に用いた試験醸造を行い, もろみ経過, 酒質, 酒化率などを検討した。 (1) もろみ経過での特徴はボーメの切れの速いこと, 酸度, アミノ酸度, UV吸収が低い輝過をたどったことなどであった。 (2) 生成酒ではアルコール度数がやや高く, 酸度, アミノ酸度, アルカリ性側緩衝能, 全窒素, UV吸収, 全窒素/全糖, 貯蔵着色幅などが少なかった。 (3) 対照, 標準仕込みと比較して, 粕歩合にはほとんど差がなかったが, 白米1,000kg当たり純アルコール収得量は多かった。 (4) 評点法によるきき酒では対照, 標準仕込みと差がなかったが, 描写法によると味がやや淡泊できれいという評価と, やや旨味不足という評価とがあった。