消化性の異なる4品種より胚乳細胞壁区分を得て若干の性質を調べ, 次の結果を得た。 1.α-アミラーゼ処理までの段階で得られた胚乳細胞壁区分は白米重量の4.5~6.0%であり, 粗タンパク含量が83.6~86.3と著しく高く, 白米中の粗タンパクの約85%を含む。 2.精製した胚乳細胞壁区分は90.4~96.5%の多糖類を含み, その33.7~46.4%がα-セルロース, 48.6~63.3%がヘミセルロースで, 消化性の悪い品種ではヘミセルロースが多い傾向がみられる。 3.ヘミセルロースを構成する主要な糖はキシロース及びアラピノースで, そのモル比は約3: 2である。 4.タンパク質顆粒を付着している胚乳細胞壁区分には20mM乳酸緩衝液中でα-アミラーゼの著しい吸着が認められるが, 精製した胚乳細胞壁にはα-アミラーゼの吸着は認められない。