E処理α化米を仲, 仲・留の掛米に用いた総米1kgの小仕込みを行ない, もろみ経過, 酒質, 酒化率などを通常の蒸米, アルコール脱水α化米と比較した。 1. もろみ経過を比較すると, ボーメの切れはα化米の方が速かった。酸度, アミノ酸度ともに, α 化米の方が低く, なかでもアルコール脱水α 化米のアミノ酸度はより低い経過であった。 2. 生成酒の酸度, アミノ酸度, アルカリ性側緩衝能, 全窒素, UV部吸収などは通常の蒸米仕込みよりα化米の方が低い。特に, アルコール脱水α化米仕込みのものが顕著であるが, E処理α化米はさほどではなかった。 3. 生成酒の着色度は, α 化米仕込みは蒸米仕込みとほぼかわりなかった。粉末活性炭処理後の酒の加熱着色幅, 日光着色幅はα化米仕込みの方が少ない傾向にあった。 4. 酒化率については, α 化米仕込みは蒸米仕込みとほぼ同じであった。 5. きき酒結果については, 新酒ろ過後, 貯蔵後の酒ともにほとんど差は認められなかったが, α 化米は淡麗, きれいすぎる評であった。