ソフトタイプ清酒「純米やわくち」の醸造にあたり, 小仕込試験及び試験醸造を行い, 醸造法の改良に努めた。 (1) 「純米やわくち」の醪におけるダイアセチルの生成は, 酵母の代謝によるものと考えられた。 (2) ダイアセチルの酵母による資化は, アルコール濃度が低い方が良かった。また,「活性やわくち」の上槽酒への添加により, ダイアセチルはアセトインに変換された。一方, ピルビン酸の酵母による資化は, アルコール濃度が高い方が良かった。 (3) 「純米やわくち」のダイアセチル濃度を低下させるには, 次のことを行うことにより技術的に解決された。 イ.麹四段の醪への添加を醪初期に行う。 ロ.水四段は分割して行う。 ハ.醪後半は低温で発酵させる。 ニ.醪上槽後は, 上槽前の醪の一部をこした「活性やわくち」を上槽酒に添加する。