味醂の白ぼけは麹歩合が小, もろみ温度が低いなどによる熟成不十分の場合に出易いが, その外に増醸歩合が大きい場合も出易い。上槽時に味醂液中に入ってくる糯米の微小なかけらが液中に残存するアミラーゼに比して異常に多い場合に出易い。アミラーゼ不足のため糯米のかけらの分解が非常に遅くなるためである。白ぼけ味醂の温度をあげ酵素作用を促進するか, アミラーゼを添加するか, 味醂液のボーメを下げるなどのことを行なうと清澄化が促進される。アミラーゼは浮遊している白ぼけ物質表物の糖区分を分解し, その結果残存物は溶解性を失なって沈澱する。