純粋なα-アミラーゼ, グルコアミラーゼ, 酸性プロテアーゼ, および酸性カルボキシペプチダーゼを種々組合わせて酵素液を作り, これに蒸米を投入しただけの溶解系と, これらを更に発酵させた発酵系のもろみについて, アミノ酸の生成を比較検討した。 全般的にみた場合, 発酵により全窒素もアミノ酸も減少し, 酵母によるとり込みが起ることが知られた。ただし, 酸性カルボキシペプチダーゼが存在せずアミノ酸の生成のない系では, 酵母による生成がみられた。 個々のアミノ酸生成状況を観察すると, 主として蒸米から生成され, 酵母により消費されるグループ (アルギニン, ロイシン, リジン, フェニルアラニン, イソロイシン, メチオニン, アスパラギン酸), 主として酵母により生成されるもの (シスチン), 両者により生成されるもの (アラニン, グリシン, プロリン), 両者により生成されるが, 酵母は消費に廻る場合があるもの (グルタミン酸, スレオニン, チロシン, ヒスチジン, バリン, セリン) の4グループに大別された。