米中にDMS前駆物質 (DMSpre) が生成される原因について検討し次の結果を得た。 1) 低温貯蔵古米を除いて古米は貯蔵中に害虫防除のため薬剤くん蒸処理を受けるが, 現在最も良く使用されているmthyl bromide (CH3Br) くん蒸処理を新米にしたところ多量のDMSpreが生成した。phosphi欝 (PH3) 処理米および研究室で常温貯蔵したものはDMSpreの生成はなかった。 2) 新米にCH3Br, PH3処理を行い仕込みを行った結果, CH3Br処理新米を使用した清酒に多量のDMSpreが含まれ, 官能検査の結果も古米酒臭が強く感じられた。PH3処理米使用清酒はDMSpreは検出されず古米酒臭は感じられなかった。 3) CH3Brくん蒸処理をされた米は製成酒に古米酒臭を生じるので不適当である。古米酒臭を生じさせないためにはPH3くん蒸を行うか, 低温倉庫に貯蔵するのが望ましい。