酒母歩合20%, 汲水歩合150%の仕込配台で, 総米500kgのソフト清酒の製造を2製造場で行った。 1) アルコール収得量や粕歩合, その他の歩台は, 標準的な通常の仕込の場合と大差はなかった。 2) 製成酒の成分は, A社: アルコール分15.7%, 日本酒度-3.0, 酸度2.6, アミノ酸度2.0, B社: アルコール分15, 3%, 日本酒度-5.0, 酸度2.9, アミノ酸度2.3であった。 3) 同一社の本醸造酒又は純米清酒 (対照酒と呼ぶ) と試醸酒の成分を比較した場合, 試醸酒は, すべての有機酸が多かった。また, succinic acidを100にした場合の比率では, 試醸酒は対照酒に比べpyruvic acidが多くacetic acidが少なかった。一方, アミノ酸度は, 大差なく, 組成においても大きな違いはなかった。 貯蔵による着色の増加量は, 試醸酒が対照酒よりも2.5倍程多かった。