1. 日本酒度は県内外とも1965年から70年頃最も高く, 以後低下傾向で推移した。また県内と県外は時代を逆上ったところで差があった。 2. 酸度は1・2級とも県内が県外よりも低く推移した。いずれも75年頃から増加傾向になったが, 1級の方が2級よりもその動きが大きい。 3.アミノ酸度はいずれのデータも最後の方で減少傾向になったが, これは近年の淡麗化志向による製造管理によっているものと思われる。 4. 着色度はいずれも初期の高い値から急速に低下した。着色度の減少は品質向上の現われであると考えられる。 5. 濁度は初期の高い値から一旦下がり再び増加傾向になった。下降はオリ下げの普及により, 後者の増加は着色びん使用によるオリ下げ廃止のためと考えられる。6。甘辛度・濃淡度は県内が県外より淡麗甘口で推移したが最終的には県外と同じ傾向性を示した。また県内外とも最後の方で1級が2級よりも濃醇化, 辛口化への動きが大きく, 1級はこれによって特徴づけがなされつつあると考えられる。 この分析を行うにあたって終始御指導下さいました東京国税局鑑定官室, 並びに電子計算機の使用に便宜をいただいた県情報管理課指導係の皆様に感謝致します。