例年野生キラー酵母によって汚染を受ける酒造場において, 55BY56BYに亘りキラー7を中心とした醸造を行い, 野生キラー酵母の汚染を防ぐことを試みた。 55BYでは野生キラー酵母汚染が高まった時点から, あと主としてキラー7を使った醸造を行った。しかしこれらキラー7を使用した酒母.もろみにおいてもかなりの野生キラー酵母汚染を受け, 汚染が激しくなった時点で単にキラー7を導入しても, 汚染は充分に防げないことを示した。 またキラー7を使い始めた後の, 協6, 協9, 広島2号等キラー感受性酵母の酒母・もろみに2~38%のキラー7の逆汚染をみとめた。 キラー7使用酵母での野生キラー酵母の汚染経路を調べたところ, 野生酵母は主として蒸米がエアシュータによってタンクに運送される問にその汚染を受け, 酒母に持ち込まれていることがわかった。 56BYでは庫内での野生キラー酵母蔓延の機会をあたえないため, 最初の酒母・もろみからキラー7を使用した。このことにより野生酵母の汚染はほぼ汚染することができた。