昭和55年産米33点について各種性質 (18項目) の分析を行ない各項目間の相関関係を検討し, その相関行列を用いて主成分分析を行ない各品種の性状の比較と分類を行なった。また, これにより得られた結果が昭和55年産米だけに適用できるものか, あるいは年度によるバラツキよりも品種によるちがいの方が大きいかどうかを見るため, 昭和51年~55年までの5年間にわたりデータの揃っていた20品種についても5年間の18項目の分析結果をまとめ主成分分析を行ない各品種の性状の比較と分類を行なった。両者の結果はほぼ一致し次のような知見が得られた。 1. 心白米は山田錦型と早期米型の2つのグループに分けることが出来, 山田錦型は早期米型に比較して溶解しやすく粗蛋白質が少ない傾向が見られた。 2. 広島県の八反, 兵庫県多紀郡の五百万石などは他の早期米とやや性質が異なり山田錦型に近い性質を持っていることがわかった。また一般米の中ではアケボノや金南風などが比較的溶解しやすく粗蛋白質が少ない品種であることが判明した。