みそ用原料米の処理の適正化を検討するため, 各処理過程における正常粒の形状を測定した。 米の長さは浸漬, 蒸しの時間の経過とともに長くなるが, その幅は浸漬時にはやや拡がるが蒸しによって若干収縮し, また厚さは蒸すことによって収縮する。この結果から各処理過程の米の長さを検討した。 無圧蒸しにおいては蒸し時間を長くするにつれてその長さは長くなり, 60分の蒸しでは原料米に対して1.22倍となる。更に加圧することによってその長さは伸び原料米に対して1.25~1.26倍となる。この蒸米は床で1晩放置することによって更に伸びるが, この場合も加圧蒸しの方が良い。 加圧蒸しの条件を検討した結果1.0kg/cm2の圧力では5~30分の間では時間と共にその長さは伸び30分ではその長さは原料米対比で1.245倍となる◎1.5kg/cm2の圧力では10分が最長でそれ以上時間をかけると米は第5図乳酸溶液中で浸漬した場合の米の伸び縮む。しかしこれらの圧力の加圧蒸しに先立って無圧で予め30分蒸すとその長さは更に伸長し1.Okg/cm2, 10分では原料米対比1。257倍になるし, 1.5kg/cm2, 10分では1.280倍となる。 浸漬時間と米の長さについてはやはり時間の経過とともにその長さは伸び, 17時間で最高となり, 原料米対比1.054倍となる。浸漬1時間と1晩では無圧蒸しでは当然前者の米はその長さは短いが, これを加圧することによってその差はなくなる。 浸漬水の水質によってもその長さは異り, 硬度の高い水や, 乳酸を添加してpHを低下させた水に浸漬した場合, 浸漬米, 蒸米の長さは軟水と比較するとその伸びは極端に悪い。