同一樽内に入れたエチルアルコール水溶液を温度15℃ 湿度を46%, 61%, 93%の3つにかえた1年間の貯蔵試験を行った結果, 湿度の低い場合には樽内のアルコール濃度は高くなり, 湿度の高い場合には樽内のアルコール濃度は低くなった。酢酸, 酢酸エチル, アセトアルデヒドは貯蔵中に増加するが湿度による影響は少なかった。フェノール化合物, 紫外部吸収, 着色度は時間とともに増加するが, 揮散量を補正した条件では, 湿度の低いところで最も少なかった。 官能検査では条件Aが最も良く次いでB, Cの順となった。特にCは良好とはいえなかった。このことより熟成によるウイスキーの良化にはある程度の揮散を伴う条件が必要であることがわかった。 最後にMOラクトンの合成をはじめとし, 本研究遂行に当り種々御教示いただきました大阪国税局鑑定官室吉沢淑室長に深謝いたします。