古酒を通気性のある素焼きガメに熟成したもの (カメ熟成古酒) と, ステンレスタンク等の通気性のない容器に熟成したもの (密閉容器熟成古酒) に分け, これら古酒と新酒の一般成分について比較したところ次の点が明らかになった。 1) カメ熟成古酒と新酒の間には酸度に差異が認められ, カメ熟成古酒が高い値を示した。 2) カメ熟成古酒と新酒の間にはpHについても有意な差異が認められ, カメ熟成古酒の方が高い値を示した。 3) エステルについてはカメ熟成古酒及び密閉容器熟成古酒の両方とも新酒との間に差が認められ, 新酒より低い値を示した。 本研究にあたり, 高所からのご理解, ご協力をいただいた前国税事務所長西林保樹氏をはじめウイスキーの熟成に関する貴重な資料を提供下さったサントリー中央研究所増田正裕氏, 貴重な古酒を提供下さった泡盛製造業者の各位ならびに終始ご指導下さった国税庁醸造試験所西谷尚道博士に対して哀心より感謝の意を表します。